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俗な人間模様も美しい文体と雰囲気で昇華?「千羽鶴」(Mille gru) 川端康成

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Mille gru di Kawabata Yasunari, traduzione di Mario Teti
「千羽鶴」川端康成、イタリア語訳:マリオ・テーティ

1949−51年にかけて、様々な雑誌に章ごとに掲載されたものを

刊行の際にひとつにまとめられた長編小説。


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亡き父の終生の愛人だった太田夫人(少なくとも45歳)と

恋に落ちる菊治(夫人より約20歳年下)。

夫人は父・三谷の面影を菊治に見い出し惹かれ、

菊治も年が離れているように感じさせない夫人に、

父の愛人だったひとと知りながら惹かれる。


太田夫人以前に父の愛人だったことがある栗本ちか子は、

父・三谷に最後まで愛されていた太田夫人を憎み、

夫人と菊治の仲を裂くべく、

稲村ゆき子との縁談を持ちかけ、仲介人として立ち回り、

まとまってもいない話を夫人の耳に入れて、

引き離そうと妨害する。


過去に三谷の愛人だったということ、

また、今は未亡人であるとはいえ、

その年若い息子・菊治と関係を持った母を恥ずかしく思い、

菊治に会いに行こうとする太田夫人を引き止め、

会わせないようにする娘・文子。


恋に身をやつした太田夫人は、

自身がいなくなった場合の娘の身を菊治に託すような言葉を匂わせ、

自殺する。


太田夫人の亡き後、共に故人に縁がある菊治と文子の距離は近付いていくが、

またしても、ちか子は妨害すべく、

菊治に、縁談を取り持とうとしていたゆき子や、 

亡き夫人の娘・文子に関して、

嘘を吹き込むが……



昼ドラや

ゴールデンタイムよりは22時スタートのドラマにありそうな、

なかなかドロドロ複雑に人間模様が交錯しているストーリーですが、

イタリア語で読んでも、文体や言葉選び、

全体的に醸し出す雰囲気の美しさが際立つ作品です。
      
芸術院賞受賞作品とのこと。


川端作品、中学生の頃、国語の先生の本棚から借りた

「雪国」「伊豆の踊子」を読んで、

今ひとつ、当時のわたしにはピンッと来なくて、

しばらく遠のいていたのですが、

ここ2年ぐらい、日本語でもイタリア語でも色々読んでいるところで、

好きなタイプもあれば、それほどでもないタイプも有ることを発見中。

上記の2作品も今読んだら、もしかして評価が変わるかもしれないし、

また、変わらないかもしれないですが。

(でも、わたしは、温泉宿系の川端作品、あまり好みではないよう)



実は、5年ぐらいまえに、

当時高校生だったイタリア女子がこの本を読んだと言っていたのですが、

まだ川端作品に開眼していなかったわたしは、

食指が動かなかったんですよね、、、(^.^;


でも、今読んでみたら、面白かったですよ!

日本語オリジナルも読んでもいいなと思いました。


川端作品を色々読んでいると、  

主人公に近い登場人物の女性が、可愛げがあって、 

同性のわたしから見ても好感が持てる雰囲気に描かれていることが、

わりと多いように思います。

この作品に出てくる太田夫人、

かつて父の愛人であり、またその息子とも関係を持つという

その行為だけを取り上げれば、

それは、どうなの??

と感じる人は少なくはないと思われますが、

作品中に描かれている彼女の気質や雰囲気を読むと、

父・三谷が終生愛し、

息子・菊治も年の差にも関わらず、惹かれてしまう…

というのが、なんとなく分かるなぁ、と。


ちなみに、悪役・ちか子は茶道の師匠ですが、

作品全体を通して、茶道で使用する様々な焼き物の名称や、 
 
注釈が出てきて、

日本の伝統的なものや雰囲気が好きな外国人にもウケそうな要素満載です。



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このイタリア語版の表紙と内側の画は、

池永康晟氏の作品とのことですが、

作品との兼ね合いではなかなかよいチョイスだと思います(^_^)

(翻訳本で、まったくイメージと異なる画が表紙だったり、

時代が異なるのに、表紙が浮世絵だったりすると、

ただの日本つながり?と、げんなりすることがあります…)


池永康晟サイト





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Posted byjacquelinege

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