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被災から2年後のラクイラとイタリアの今・・・

今回の日本の大震災後にブログを再開し始める際に、
2年前に書いたイタリア・アブルッツォ州のラクイラの大地震の記事を見返したので、
その日付は記憶に新しく、
日本の被災地の様子や被災地の様子を見たり、思うたびに、
ラクイラ(L‘Aquila)はどうなったのだろうか・・・
と思っていました。

周囲のイタリア人が日本の状況を聞いてきたときにも、

「あ、そう言えば、ラクイラも4月6日で地震から2年が経つけど、

どうなっているの?復興は進んでいるの?」

と、逆に尋ねると、

「・・・それは、わたしも知りたいぐらい。。。」

とか、口をつぐむ人も。。。


イタリア人やここに住む外国人も、
日本の大災害の報道や映像に大きな衝撃を受けていましたが、
実際のところ、生涯の中で何度ぐらい地震を感じたことがあるのかと問えば、
わたしがちょっと聞いてみた範囲では、
50-60代ぐらいで、2-5度、
10-20代ぐらいだと、1度もないという人も多いようです。
(在住地、育ったところにもよると思いますが)

そういう状況ですから、
避難訓練のようなものもないですし、
本当に起こった際には、パニックになるのも理解できるかと。



2009年4月6日 午前3時32分 ラクイラで大地震


2年後の深夜、同時間帯に、
ラクイラの大地震で亡くなった309人を追悼し、
約2万人の人が松明を灯して、
町中・・・というより、残っている町中を列をなして歩きました。
その際に、行列では、ラクイラの町の旗と
お見舞いとしてかなりの義捐金を送った日本の国旗も掲げられたとのこと。

義捐金は他国もそれぞれ送っているかと思いますが、
これは、今、大変な状況にある日本と日本人への共感の表明でしょう。


ここ数日、メディアでも時々ラクイラは今どうなっているのか・・・
ということが、時々とりあげていたので、
気になっていたところですが、

おそらく、日本だったら、

ここはこのように復興しましたが、
この部分はまだまだで、取り組む必要があります・・・
みたいなことを現地の映像を見せながら、
記者がコメントする・・・

みたいな流れかと思います。



一方、イタリアの場合は・・・と言うと、

ラクイラの地震から2年が経ちますが、
まだ瓦礫が山になっていて、
壊れた建物もそのままのところが多く、
旧市街も朽ちていて、
住民は家の中に引きこもっていることが多く・・・
こんなに、復興していません!



みたいな感じです。。。


この機会に、

「ラクイラの瓦礫の処理は、緊急課題だ!」

と、今になって、2000万ユーロ(約23億6千万円)の公共資金と軍隊の使用にGo出す書類にサイン・・・

って、遅すぎますから。。。


住民からは、地震が起きた2年前とほとんど状況は変わっていないとの証言も。



おまけに、ラクイラの被災者と称した女性が
テレビ番組に出演して、

ラクイラは復興して、庭とガレージ付の家々が建っている。
政府に、首相に感謝しよう!

と称賛し、

それでも不平不満を言っている人たちは、
ホテルに無償で滞在して、無償で食べたいだけ!

と語りましたが、

その後、ラクイラ市の議員より告発され、
実は、女性は被災者ではないということが発覚。



2009年のG8(先進国首脳会議)は、イタリアが開催国で、
当初サルデーニャ島が開催地だったのを、
地震が起こったラクイラの状況を他国の首脳陣にも見てもらおう!と、
急遽、ラクイラを開催地に変更し、
復興を約束しよう!と、住民に誓っていた姿は???



話題を変えて、日本のメディアに登場していない、
今、旬なイタリアの大きなニュース・問題に触れますと、

チュニジア・リビアからの難民がボートに乗って、
シチリアの南にあるランペドゥーザ島に続々と押し寄せている、
という問題。


この話題は、しばらく前の日本の状況が穏やかだった頃は、
メディアでかなり取り上げられていたようですが、
今の状況からすると、海外の問題としては、
せいぜい、リビア、シリア、コートジボアールのニュースを取り上げるので
いっぱいいっぱいでしょうね。


リビアへの攻撃やチュニジアの暴動がなくても、
ランペドゥーザ島には、
頻繁にアフリカからボートピープルの人がたどり着きますが、
先週の時点では、約6000人と言っていたのが、
今朝のニュースでは、
人道支援のための一時的滞在許可証を2万人に発行するとのこと。
アフリカから近いイタリアに上陸した後、
家族や親戚、友人、知人などがいるフランスなどに到達するのが目的の人も多いですが、
イタリアですでに働くそれらの人を頼る人もいるでしょう。

そして、難民認定され、合法的にイタリアに滞在できることになると、
アブルッツォ以外の全州に振り分けられ、
各地域で用意された避難所に滞在することになります。


しかし、無事に着く人もいれば、
今日も話題になっていますが、
約300人乗っていたのに、
約250人は行方不明・・・と、
装備もしっかりしていない、人数に対しては小さい船なので、
海を渡っている最中、どこかで波にのまれてしまう人も。
イタリアにいる家族がボートに乗っている家族と、
携帯電話で通話している最中にいきなり声が聞こえなくなり、
シチリアの救急隊に探してくれとSOSに連絡したというような話題も、
数日前に出ていました。



先週後半に、日本のニュースで、イタリアの文字を発見!
と思ったら、

買春疑惑のベルルスコーニ首相のパーティーに出席したことがあるという、
ハリウッド俳優のジョージ・クルーニーと、
その現在の恋人で、イタリア人モデル(女優?)のエリザベッタ・カナリスが、
証人として、裁判に出廷(予定?)。。。

って、

それ、イタリアのニュースの中で一番重要なものではないですから。。。


まあ、こんな時なので、難民の話題より、
こうゴシップ的な話題(しかも他国だし)の方が国民の前に出しやすいし、
また、一般の日本人はイタリアのTVに出ている人の名前を聞いても、
さっぱり?ということも多いでしょうけど、
きっと今回は、日本人にも知られているジョー二・クルーニーの名が挙がったので、
関心を持ちやすいだろう!
という配慮なのでしょうか??


このニュース、日本語で読んだのが、
イタリアの新聞に出るより2-3日先でした。


まあ、反対に、日本の皇室のニュースなどは、
こちらの方が1-2日発表が早いということもよくあることです。




今回の日本の大災害の報道の仕方に各国によって偏りから思うことは、
海外のメディアは、その当事者となっている国の国民の目に入る配慮などを、
あまり考えることなく表現することができることもあるし、
同じ事実でも、立場や観点が異なれば、表現の仕方もだいぶ異なる、ということ。

そして、何から情報を得るかによって、
人の考え方や対応もだいぶ異なるものだということです。







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jacquelinege
Posted byjacquelinege

Comments 8

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美香  

No title

実は私もラクイラのことを考えていました。
まだまだ復興していないんですね…。
そう考えると、日本って復興への取り組みが本当に早いし、恵まれているんだなと感じます。
ぽち☆

2011/04/07 (Thu) 00:11

mek*pos*  

No title

日本にいるとなかなか海外のニュースが入ってきません。。。

災害の前はこぞって京都大学の入試時に携帯に問題を載せて答えを聞いていた受験生が逮捕された話題で持ちきりで、今はそんな事より、リビアとかチュニジアの情勢を流してよ!と腹立たしく思ってました。
自分から興味を持たないと海外情勢が入ってこないのがとても残念です。。。

2011/04/07 (Thu) 16:12

kabo  

No title

実は研修先に、アブルッツオのアグリツーリズモが上がっていたのですが、地震が起き実現しませんでした。
もうあれから、2年経ったんですね。

イタリアの、のんびり感は好きですが、
こういう事には、きちんと対応してもらいたいです。

2011/04/08 (Fri) 09:16

Jacqueline_ge  

No title

美香さん♪こちらもお返事が遅くなってごめんなさいです。
ラクイラではなく、もっと大きな観光都市だったら、早く復興に取り組まれたのか?ということを質問してみましたが、周囲の人の反応は、少しは早まったかもしれないけど、それほど早くないように思う…とのことでした。もっと前の地震や災害でまだ仮設住宅のような建物に引き続き住んでいる方もいるとか…。早い復興には、州の財力などや自主性なども関ってくるようです。

日本にも色々な問題点はあるかと思いますが、一般的に他国より優れていることも多いので、日本人であるということは、恵まれているなぁと思いますし、他の国の人からそう言われたこともしばしばです。
日本に帰国した後、イタリアに戻ったら、「おかえりなさい!でも、どうして戻ってきたの?」と言った友人がいました(^^;;;;

2011/04/18 (Mon) 18:28

Jacqueline_ge  

No title

めかぽしさん♪どの国も自国のニュース以外は、世界的な大問題や、自国と特に関る他国のこととか、近隣の国のこととかから発表されますかね。日本の海外のニュースは、やはりこちらより中国、韓国、北朝鮮などのニュースが見られるかと思います。
日本に帰った時に、新聞の国際面を見ても、あまりイタリアのことは載っていないことも多いです。
イタリアでは、日本に関する記事は、今のような時期ではなくても、1週間に数件はどこかの記事に出ているので、遠くても日本はそれだけ注目されている国なんだなぁと感じるのと同時に、ニュースにほとんど出てこない国の人は、それこそ自国のニュースを自国のメディアに求めないと全く知ることができないんだなぁ、と思います。

自分から興味を持って探さないと海外情勢が入ってこないの状況は不便と言えば不便ですが、情報アクセスが制限されるようなことがない国にいるということは、ある意味幸せですよね。

2011/04/18 (Mon) 18:42

Jacqueline_ge  

No title

Kaboさん♪お返事が遅くなってごめんなさいです。
アブルッツォに滞在されるかもしれない、という予定があったんですね。そう、もう2年、まだ2年なのですが、イタリアのメディアの取り上げ方は、日本が被災地に関してするであろう取り上げ方より目立たないので、偶然に見なかった人は、ラクイラの地震がいつあったかも忘れていた人も多かったかもしれません。
ラクイラも観光地ではあるそうですが、ある程度復興しないことには旅行者の人もなかなか訪れことができず、ラクイラの経済も成長しないですよね。

今回の地震で日本の高速道路が6日?ぐらいで元に戻ったというのをニュースで見せていたそうですが、それとの対比でカラブリアの高速道路の工事は20年前から着手しているけど、まだできていない・・・というのも見せていたとのことです。

個人的には、2-3週に1回ぐらいの割合で交通機関がストするのは、かなり迷惑です。。。先週金曜日、ストでしたが(その前は4/1)、次回は5/6(金)だそうです。。。

2011/04/18 (Mon) 18:54

ciaomami  

No title

来年はラクイラに行ってみようかなぁ~と思い、この記事を思い出し再訪しました。前回はビデオまで見ていないけど今回はじっくり見ました。イタリア語が分からないから状況がつかめないけど、不満を持っている人がまだまだいるんだな~ってのは伝わりました。観光でいけるところなんて限られているし、そんなところは表面的に復興されてみえるのでしょうね~事実はみれなくても訪れることが復興に役立つと信じて僅かなお金を落としに行こう!って今、思ってます(^^)

2011/09/13 (Tue) 21:27

Jacqueline_ge  

No title

mamiさん♪ちょっと前に見たFocus(227 settembre2011 P152-158)という科学技術理系の雑誌に、"UNO TSUNAMI FA"というタイトルで、震災直後のいくつかの町の写真と同じ場所の6-7月頃の写真が並べて掲載され、3-4ヶ月でどのぐらい復興したかというのを見せつつ、現在の状況などを説明している記事がありましたが、その最後にラクイラの写真と日本の復興に比べてあまり進んでいないというようなコメントの記載がありました。
震災が起こった日と同じ日の前後には追悼ということで報道されたりしますが、なかなか日常的には地元の方ではないと、どうなっているのかは分かりにくいところはありますね。
でも、他の地域の人でも覚えていること、風化させないこと、気にかけていることって、大事ですよね。

2011/09/14 (Wed) 01:44

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